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第2章 同行援護の制度と従業者の業務 ⑥

  第2章の⑥はリスクマネジメントです。
 同行援護は外出先でのサービス提供となるため、様々な問題や事故の発生を視野に入れておかなければなりません。

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 突発的な問題や事故の発生原因として、利用者の体調変化が挙げられます。
 1 既往症への対応の確認
  ① 糖尿病の場合
     視覚障害の原因疾患第2位ですので、当然利用者にも多くいらっしゃいます。
     特に注意しなければならないのは「低血糖」発作です。血液中の糖分が低下し、寒気やふらつきがあり、さらに進むと意識を失うこともあります。同行援護中に低血糖の発作を起こした場合に備えて、利用者と事前に話し合いをしておくことが大切です。
テキストでは、「ブドウ糖等の補食同行援護授業者も携帯しておくと良い」とありますが、あくまで視覚障害者の自己管理が大前提ですので、同行援護従業者の自己判断で糖分の摂取を行うことがないようにしましょう。
  ② 狭心症の場合
狭心症の発作も糖尿病と同様に視覚障害者の自己管理が大前提ですが、発作が起きた場合、誰に連絡をするのか(かかりつけ医院への連絡含む)を事前に話し合っておきましょう。「少し休めば大丈夫」と言われる方も多く、発作が落ち着いて帰宅した後も観察が必要な場合もありますので、視覚障害者の家族、事業所の責任者への報告は必ず行いましょう。
  ③ 服薬の管理が必要な場合
同行援護中に服薬の時間となることがあります。事前に休憩できる場所を調べておくことも重要です。ただし、服薬に関しても視覚障害者の自己管理が大前提ですので、同行援護従業者の判断で休憩したり、服薬を指示することの無いように気をつけましょう。

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 2 支援中の確認
   同行援護で外出中は予想できない問題や事故に遭遇することがあります。
  ① 転倒や接触による傷
     同行援護中に最も多い事故は転倒による怪我です。
     同行援護従業者養成研修では実技講習も行いますが、実際の場面では予期せぬ事故に遭遇することもあります。転落・転倒による事故が発生した場合は、利用者の安全確保を最優先に行動し、怪我の状態によっては救急車の要請、家族・事業所への連絡を行います。視覚障害者の意識がある場合は本人に確認しながら行ってください。
  ② 食事中の事故
    長時間の外出となると、食事を摂る場合もあります。そこでは、食物を詰まらせる、アレルギー反応などの事故が考えられます。アレルギーに関しては事前に視覚障害者からのアセスメントで確認しておくことで、発生のリスクを抑えることができます。
食物を詰まらせることは、食事中の観察が必要となります。食事中の事故は未然に防ぐことが重要です。しかし、不幸にして事故が発生してしまった場合は、他の事故と同様に視覚障害者の安全確保を最優先に、家族・事業所への連絡を行ってください。
  ③ 熱中症などの天候に関わる体調不良
     夏場の外出では、熱中症への配慮が必要となります。熱中症の対策としてこまめな水分補給が有効ですが、糖尿病性腎症等で水分摂取の制限のある視覚障害者もいます。その場合は、日陰で休息をこまめに取るなど、体温の上昇を抑える工夫が必要となります。そうなると移動時間が長くなるので、余裕を持った行動計画を立てる必要がありますので、同行援護従業者は視覚障害者にその旨をしっかり伝えることが重要になります。
  ④ 心肺停止状態
     非常に緊急を要する場面です。視覚障害者の安全確保、救急車の要請、家族・事業所への連絡を迅速に行いましょう。
  ⑤ てんかん等の発作
     事前にどのような状況で起こりやすいか、起こった場合の対象方法を聞き取りしておきましょう。発作の前兆が有る場合、どのような変化がサインとなるかも聞いておくと、視覚障害者の安全確保につながります。
  ⑥ 他者との接触による事故
     同行援護従業者がどれだけ注意していても、他者からの接触を避けることができない場面があります。
     最近は携帯電話(スマートフォン)を触りながら歩く、自転車に乗る人が増えています。そうなると、いくらこちらが安全に配慮していても相手からの接触を避けることが難しくなります。
     そのような相手と接触した場合、視覚障害者の安全を確保した上で、怪我がないかを確認、怪我が有る場合は病院への移動もしくは救急車を要請、相手の連絡先を控える、家族・事業所への連絡を行います。

 このように、同行援護は外出するための援助を行うため、予想できない事故に遭うことがあります。どのような場面に遭遇しても「同行援護従業者の判断」で行動することがないようにしましょう。
 視覚障害者の全然確保を最優先に、視覚障害者の意思を確認、家族・事業所に連絡し、事故の対処方法について指示を仰ぐようにしましょう。
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プロフィール

伊東 良輔 (いとう りょうすけ)

Author:伊東 良輔 (いとう りょうすけ)
一般社団法人ぱるむ 代表理事
人間関係学修士
心理学を背景とした対人援助の理論と実践について研究しています。
2014年、一般社団法人ぱるむを設立。北九州市小倉南区に「伊東良輔社会福祉士事務所」、「ケアプランセンター らび」を開設。
社会福祉士として対人援助に関する講座で講師活動や成年後見人としての活動に関する記録、非常勤講師として社会福祉士を目指す学生の皆さんへの指導の記録。
視覚障害生活訓練等指導者として同行援護従業者養成講座を開催した講座の内容等を中心に紹介していきます。

資格
・社会福祉士
・精神保健福祉士
・介護福祉士
・介護支援専門員(ケアマネジャー)
・福祉住環境コーディネーター2級・3級
・福祉用具プランナー
・視覚障害生活訓練等指導者
・相談支援専門員
・全身性ガイドヘルパー

社会貢献活動
・公益社団法人日本社会福祉士会 理事
 国際担当理事
 LGBT担当理事
・公益社団法人福岡県社会福祉士会 理事
 ぱあとなあ福岡所属(成年後見人)
 独立型社会福祉士支援委員会
 障がい者支援委員会
・日本ソーシャルワーカー連盟
 国際委員会
・日本障害者協議会 理事
 総務委員会 http://www.jdnet.gr.jp/guide/yakuin/member/ito.html
・日本障害者リハビリテーション協会 総合リハビリテーション研究大会
 常任委員
・アルコール健康障害対策基本法推進ネットワーク
 幹事
・北九州市障害支援区分認定審査会 委員
・宗像市・福津市介護認定審査会 委員
・中間市障害支援区分認定審査会 委員
・宮若市障害者計画・障害福祉計画推進協議会 委員
・福岡県介護実習・普及センター 運営委員
・福岡県社会福祉協議会 運営適正化委員
さわやか福祉財団 さわやかインストラクター

一般社団法人ぱるむ
・伊東良輔社会福祉士事務所
・ケアプランセンターらび
・権利擁護センターせるもん
〒803-0273
福岡県北九州市小倉南区長行東1丁目11-16
一般社団法人ぱるむ 長行事務所
TEL:093@776‐7115
FAX:093@777‐5068
ホームページ:http://hp.kaipoke.biz/zau/

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