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第2章 同行援護の制度と従業者の業務 ②-2

同行援護従業者の職業倫理の続きです。

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 前回、お伝えしたように、同行援護従業者は対人援助のプロとしての意識を持つことが重要です。
 その対人援助のプロとして大切な考え方の基本に視覚障害者の個別性を理解することが挙げられます。
 対象者の個別性を理解するために、バイスティックの7原則があります。
 対人援助の基礎知識でも紹介しましたが、福祉職として対象者と向き合う基本姿勢としてとても重要なものです。特に個別化の原則は最初に出てきますので、業務に従事する前にもう一度見直しておくことを勧めています。

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 対人援助のプロとして大切な点として、自らの業務の振り返りも重要です。
 一日の活動記録をつける等、自分の活動を振り返ることは、次の活動に繋がるとともに、自らの長所(得意)・短所(苦手)を確認することができます。
 自らの活動を振り返り、事業所内で共有することで、チームとしての支援力も上がります、事業所の支援力が上がることは視覚障害者福祉の底上げにつながりますので、活動の振り返りは必ず行ってください。

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 振り返りにも通じますが、活動の記録は必ず行ってください。
これは、私がホームヘルパーの講習会を受けている時に講師の先生から聞いた話ですが、訪問していたヘルパーと利用者さんのほんの些細な約束が事業所の約束となり、親族と事業所が争う事例があったそうです。
 当事者と交わす約束は事業所との契約によって成り立っていることを忘れないことが大切です。
同行援護従業者は、あくまで事業所から派遣され活動しており、個人で契約して活動しているのではありません。活動中の些細な約束も、当事者にとっては大切な約束であることもあります。そして、その約束は同行援護の担当者が代わっても、当事者の気持ちの中では引き継がれることも忘れてはいけません。
 重要事項については活動記録に記載するとともに、管理者への報告を行うことも忘れないようにしましょう。
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第2章 同行援護の制度と従業者の業務 ②

   次に同行援護従業者の職業倫理について説明していきます。
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 同行援護の目的とは、利用する視覚障害者が安全かつ安心して目的地に移動するために、移動支援と情報提供を行うことと定義されています。

 活動の場所が対象者自宅から目的地まで、指定された出発地から目的地までと公共の場所で利用する制度であるため、同行援護従業者の言動は社会的な注目を集めます。そのため、公共性を持った人間的な仕事とテキストに記載されています。

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 同行援護は大きく分けて3つの業務があります。
 ①移動支援:安全に移動することを主たる目的とします。
 ②情報の提供:移動中の情景等を視覚障害者に伝えます。
 ③代筆・代読:外出先での文字情報の提供と代筆を行います。
 移動支援の時から視覚障害者のニーズが高かった代筆・代読が、同行援護で業務内容に明記されました。

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 安全に移動することを支援する同行援護ですが、信頼のおけない方に危険の伴う外出の支援をしてほしい視覚障害者はいません。

 従業者は利用する視覚障害者とはもちろん、家族等とも信頼関係を築くことが円滑な活動につながっていきます。
 
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 「あいさつの大切さ」については、研修会の中で私が最も大切にしていることです。
 ベテランのガイドさんの中には、多くの視覚障害者の方と知り合いであるため、イベント会場等にいくと過去にガイドを依頼された視覚障害者とお会いすることがあります。そこで「○○さん、私誰かわかる?」という、「いないいないばぁ」のような事をする方がいらっしゃいます。
 これに関しては、絶対にしてはいけないこととお伝えしています。
なぜかといいますと、視覚障害者の方は自分の名前を知っている相手に対し、「この人とあったことがある」、「名前がすぐ出てこない・・・」と相手に対して必要以上に気を使うことになります。
 安全で「快適」に支援することが大切な同行援護に従事する方であれば、視覚障害者に対する配慮として、「挨拶をする場合は、例え知っている人であっても、自ら名前を名乗って挨拶をしましょう」とお伝えしています。

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 そしてもう一つ重要な事は、プロの対人援助職として重要な「チームアプローチ」です。テキストでは「グループ」と称されています。
 これは、未熟な対人援助従事者全般に言えるのですが、支援対象者の信頼を得ようと「親切」を全面に押し出し、対象者ができることまでやってしまい、最終的には自立を妨げる結果となることがあります。
これは、支援者の自己満足であり、適切な支援ではありません。
 「自立支援」と「対象者の最大の利益」を目標に据えることができれば、スタンドプレーは行わず、同行援護の制度内で適切な支援をしていくように心がけることが大切です。
 視覚障害者からの要望が、同行援護の範囲を超える場合は、従業者の個人的な判断で行わず、事業所に連絡し相談しましょう。
 同行援護の範囲外であれば、家事援助等の制度の利用が必要となることがあります。正しく制度を利用すること、複数の援助者が係ることで、総合的に対象者の生活の質の向上を目指すことが可能になります。
 チームでの支援を念頭に置き、同行援護に従事することが大切です。

第2章 同行援護の制度と従業者の業務 ①

 第2章では同行援護の制度と従業者の業務について紹介します。
 同行援護概論では、制度の概要と視覚障害者・サービス提供事業者・行政の関係について説明しています。

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 2006年(平成18年)に障害者自立支援法の地域生活支援事業として「移動支援事業」が位置づけられました。
 地域生活支援事業については、第一章の③でお伝えしたように、地域性を配慮したサービスを提供できるようにという意図があったのですが、数々の課題がありました。

 障害者自立支援法の地域生活支援事業の課題とは
 ① 地域間格差
    自治体によってサービスの質が異なる。
 ② 中山間地域での移動手段
    公共交通機関の利用が困難な地域では移動手段が選択できない。
 ③ 利用者負担を応能負担に近づける
    原則、利用するサービス料の1割を利用者が負担している(応益負担)が、支払い能力に沿った負担体系に近づけなければ、利用しにくい。
 ④ 利用内容や目的地に柔軟性を持たせる
    余暇活動のための利用ができない等、生活の質(QOL)の向上を視野に入れていない。
 ⑤ 代筆代読を盛り込む
    視覚障害者の生活で不自由を感じている、ニーズへの対応ができていない。

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 2011年10月より同行援護が施行され、前述の課題が緩和されました。
 障害者自立支援法の移動支援事業では重度視覚障害者(1級・2級)を支給対象者の要件としていましたが、低視力や視野狭窄といった弱視者(ロービジョン)も支給対象となりました。
従業者の要件も整備され、同行援護従業者養成研修の受講が必須となりました。
 また、高齢障害者に対しては、障害福祉サービスよりも介護保険制度が優先利用となっていましたが、同行援護は介護保険対象者も利用ができる制度として位置づけられました。

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行政、指定同行援護事業所、視覚障害者の関係については、介護保険の関係図と同様の三角形ができます。
行政と視覚障害者は「申請と給付」、視覚障害者と事業所は「自己負担とサービス提供」、事業所と行政は「請求と支払」の関係になっています。

このように、第2章の同行援護概論では、障害者自立支援法における移動支援事業からの変遷と課題、同行援護の内容、行政・視覚障害者・事業所の関係を説明しています。


第1章 視覚障害者(児)の福祉サービス ③

第一章 視覚障害者(児)の福祉サービス 3回目は「視覚障害者の移動支援制度の変遷」についてお伝えします。
高齢者の支援サービスが1962年(昭和37年)に開始され、その5年後に障害者の家事援助が市町村事業として開始されました。

その後、1974年(昭和49年)に盲人ガイドヘルパー派遣事業が開始されました。
これが、視覚障害者の移動を支援する最初の制度です。
1979年(昭和54年)には、障害者の社会参加を促進するために盲人ガイドヘルパー派遣事業となりました。

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ただし、盲人ガイドヘルパー派遣事業の対象は、恤救規則の「無告の窮民」のように、家族や知人等の付添を得られない・低所得・重度視覚障害者(1・2級)でした。
重度視覚障害者の制限は、移動支援事業まで継続され同行援護からは、障害程度等級ではなく新たなアセスメント表でスクリーニングされるようになりました。
さらに制度の利用目的も生活に必要最低限の用件に限定され、余暇活動のための外出は派遣対象外でした。

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その後、2003年(平成15年)の支援費制度、2006年(平成18年)の自立支援法と変化をしていきます。
ここでは、地域の特性に対応するために移動支援事業は地域生活支援事業として、市町村裁量で提供される事業となりました。
たしかに、地域性を考慮したサービスの提供は必要ですが、市町村裁量としたことで、移動支援事業に従事する職員の資格要件が実施主体によって異なるため、ガイドヘルパーの資格がなくても移動支援に携わることができる市町村も出てきました。
そこで、問題となったのが、専門的な知識を持たない従業者による移動支援中の事故です。
 
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地域性を考慮したサービスの提供も大切ですが、やはり専門的な知識と技術を持った従事者がサービスを提供すべきであるとした視覚障害者からの要望で、2011年(平成23年)10月より我が国では同行援護がスタートしました。

この同行援護では、サービスを提供する従事者の要件を定め、その従業者養成のための一般課程20時間、応用課程12時間の研修が整理されました。

視覚障害者が安心して安全・快適に移動できるように支援するために、同行援護従業者養成研修では、支援のための知識と技術をを学びます。

第1章 視覚障害者(児)の福祉サービス ②

 前回のブログで、同行援護では、弱視ロービジョン)が養成課程に組み込まれたとお伝えしました。
 「見えにくさ」の尺度は人それぞれですが、同行援護のテキストで紹介されているのは、我が国の障害等級と世界保健機関(WHO)の盲(Totaly Blind)と弱視(Low Vision)の定義を紹介しています。

 盲と弱視の判定は、みなさんも体験したことのある万国式視力表を用いた結果の視力を基に行います。
 万国式視力表とは「C」のような図を見て、どちらが空いているかを答える測定方法です。
 (豆知識ですが、視力表の「C」はランドルト環といいます。発明したフランスの眼科医の名前が由来です。)

  我が国の視覚障害者は約31万人です。これは視覚障害によって身体障害者手帳を取得している人数です。
 日本眼科医会が2007年にWHO視覚障害者の定義に沿って、「見えない・見えにくさにより生活に不自由を感じている」視覚障害者は国内に約164万人いると発表しました。また、そのうちの7割は高齢者であるといわれているので、100万人以上の高齢者見えにくさによる生活の不自由を感じていることになります。
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 介護保険の要介護認定をうけている高齢者が500万人なので、5人に1人は見えにくさにより生活の不自由を感じていることになります。この数字からみても潜在的なニーズは相当な数があると予想できます。
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 そして、移動に関する場面で不自由を感じるベスト3の発表です。

1位 乗り物の利用が不便
   時刻表が見えにくい。駅のホームの電光掲示板は天井から下がっていることが多く、遠くのものが見えにくい方には、利用が困難になります。路線バスでは、バスの行先案内が見えない。バスの前方にある行先表示が見えないため、どのバスに乗っていいのかわからないため、不自由を感じている人が多いのです。

2位 公共の場所を利用しにくい
   バリアフリーが進み建物の段差がなくなったことは、みなさんもご存じのとおりです。しかし、視覚障害者だけに限らず障害者への支援ができる職員の配置すすんでいないのが現実です。視覚障害者誘導用ブロック(通称:点字ブロック)を敷設している建物もありますが、入り口付近の受付までしか誘導していない。そして、受付に人がいないということも珍しくありません。

3位 建物の設備が不備
   2位の点字ブロックの敷設にも通じるのですが、案内サインが見えにくかったり、点字ブロックは敷設しているのですが、建物のデザインに合わせて見えにくい色の組み合わせで目立たなくしてあったり、弱視の方への配慮が欠けている建物が少なくありません。

 我が国では、建物と移動に関して円滑化を図るために2006年にバリアフリー新法が整備されました。しかし、ハード面の整備は進んだのですが、そこに勤務する人や一般の方、ソフト面の啓発普及活動が追い付いていないようです。
 そのため、視覚障害者が安全に移動するために、同行援護という制度が制定されました。

第1章 視覚障害者(児)の福祉サービス ①

 同行援護従業者養成講座は、基礎的な知識・技術を習得していただく一般課程、公共交通機関の利用まで視野に入れ、サービス提供責任者は受講が必要な応用課程に分かれます。
 まずは、一般課程からみなさんにお伝えさせていただきます。

 第一章の1項では障害者福祉の背景と動向を紹介します。
 (画像は私が講習会で使用するパワーポイントです)
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  近年の障害者福祉を紹介するとき、ノーマライゼーションは考え方の基本となりますので、一番に出てきます。
 1950年代前半に、デンマークのバンク・ミケルセンが唱えた障害者福祉の考え方で「障害があってもなくても、同じ社会で生活できることがノーマルな社会であると」提唱し世界に広がっていきました。
 その流れで1981年に国連で「完全参加と平等」をテーマとした国際障害者年が制定されました。

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 その考え方を踏まえて、わが国でも法的な整備が進み、2003年に障害者が自らの生活を自らの意思で決定していく支援費制度がスタートしました。
 その3年前に開始された介護保険でも使われている「自己選択・自己決定」という言葉が福祉系の世界を席巻するようになりました。

 私が講義をする時は、「自己選択・自己決定」の定義について受講者のみなさんにお尋ねするようにしています。
 同行援護従業者養成研修を受講する人の多くは現在、介護保険か障害福祉分野でお仕事をされている方です。
 この業界では普段からよく耳にする「自己選択・自己決定」とはどういう意味ですか?とお尋ねしています。
 すると、多くの方は「利用者自身が利用するサービスを選ぶことと」と回答されます。
 ここからは、社会福祉士の視点なのですが、私はもう一歩踏み込んだ質問をします。
 それは「どうすれば利用者が満足する自己選択・自己決定につながりますか?」という質問です。

 みなさんならどう答えますか?

 利用者一人一人違うので、これが答えだ!!というものはありませんが、私は「利用者が利用したいと思うサービスについて十分な情報を得ることができたとき、本人が満足する自己選択・自己決定ができるのではないか」とお伝えしています。

 介護保険の現場で多いのは「訪問介護・通所介護のサービスを使いますか?」という質問で、利用者の答えはYESかNO・・・
 このようなクローズドクエスチョンでは、本当の自己選択・自己決定をしていただくことは難しいのではないでしょうか。
 通所介護を利用する場合、体験利用等を通じて複数の施設利用をした結果、利用者が気に入った施設を選ぶ。これが自己選択・自己決定の本当の姿です。
 日本に61万人のケアマネさんがいらっしゃいますので、みなさんと共有できたらいいなぁと思いながら同行援護の講習会をしています。
話がずれてしまいましたが、同行援護従業者養成研修の始まりは制度の流れとともに、基本的な考え方をお伝えしています。

同行援護とは

 同行援護という制度をご存じですか?
 平成23年10月1日から施行された視覚障害者の外出支援を目的とした制度です。
 同行援護が施行される以前も、視覚障害者の外出を支援する制度として、移動支援事業がありました。
 しかし、障害者自立支援法における地域生活支援事業であったため、市町村によりサービスの詳細が異なり、サービス従事者もガイドヘルパー資格所持者である地域、ホームヘルパー3級で従事可能な地域等、様々でした。

 従事者の資格を問わないことで、サービス提供に関わる従事者の数は増えますが、視覚障害者の支援を知らない方が派遣される可能性も出てきました。
 サービスの量的な緩和が進むと、質の低下が問題となります。
 視覚障害者への専門的な支援を学ぶ機会のないまま、業務に従事するガイドヘルパーが増えたことで、支援中の事故が問題となってきました。
 階段からの転落、電車利用時にホームに置き去りになるなど、深刻な事故が多いため、従事者の質を揃えた全国統一の制度が必要だという声が高まり、同行援護の制度が開始されました。

 同行援護制度の特徴
 ① 全国統一のアセスメント調査票ができた
  移動支援事業では、障害等級1・2級の重度障害者を対象としていたのですが、同行援護では障害等級ではなく、移動に関してどの程度不自由を感じているかを聞き取るようになりました。
 ② 弱視(ロービジョン)が講習内容に組み込まれた
  ガイドヘルパー養成では、講習内容に入る疑似体験はアイマスク体験のみでした。これは全盲の視覚障害者を支援対象としていたからです。しかし、視覚障害者の8割は弱視(ロービジョン)のため、「見えない」視覚障害者だけでなく、「見えにくい」視覚障害者の支援についても講習内容に組み込まれました。
 ③ 代筆・代読が業務になった
  今まで、代筆・代読はガイドヘルプサービスに入っていないため、従事者によって代筆をする人しない人と別れていました。
  これは非常に危険なことで、契約書へのサイン、銀行の預金引き出し等、トラブルの種に対してガイドラインが定まっていない状況で、ガイドヘルパーの個人の判断で行われていたことになります。
  同行援護では、業務内容と定めることで、同行援護従業者の個人の判断で行うのではなく、重要な書類への記入等は、一度事業所の責任者に相談することができるようになりました。

講義内容・実技項目も大幅な変更点があり、視覚障害者のより安全な移動支援を行えるように配慮されています。

見えにくさが引き起こす日常生活の不自由 読み書き②

 見えにくくなった高齢者の生活で不自由を多く感じるのは、文字の読み書きです。
 書きについては、書く場所をわかりやすくするために、枠線を太くし見やすくしたり、どのような用紙でも利用できる汎用性の高いサインガイドの活用を紹介しました。
 「読み」については、本人の見え方にあった支援の方法を探す必要があります。
 ここでは、基本的な支援の方法について紹介いたします。
 見えにくい高齢者への支援の基本としては「字を拡大」が基本となります。
 これは、高齢者のデイサービスでも配布物でA4用紙のものを拡大コピーし、A3用紙で配布するなどよく行われている方法です。
 もう少し工夫するポイントを2つお伝えします。

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 1つ目は、見やすいフォントを利用することです。
 上の写真は、同じ文章を同じサイズでフォントを変えて書いています。
 上の段が「明朝体」、下の段が「ゴシック体」です。
 どちらが見やすいでしょうか?
 この2つのフォントが対比されるときに明朝体は毛筆、ゴシック体はマジックペンで書かれた文字に例えられます。
 明朝体は文字にメリハリを出すために、縦の線が太く、横の線が細いという特徴があります。
 それに対して、ゴシック体は縦・横ともに同じ太さで書かれています。
 マイクロソフトのワードの基本設定は明朝体の10.5ptなので、文章をお渡しする場面では、相手の方が見やすい設定に変更することも大切な支援になります。

  2つ目は、コントラスト(明暗)をつけることです。
 次の写真は1枚目の写真と文章・文字のサイズ・フォントも同じものです。
 唯一違うのが色。図と地の色が反対になっています。

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 このように白と黒を逆さまにすることを「白黒反転」といいます。
 これは、白内障等で光が強すぎることで見えにくさを訴える方に有効な支援方法です。
 講習会で紹介した時に「何か特殊な方法で作成したの?」と質問をいただきますが、実はほとんどのコピー機にある機能で、コンビニのコピー機でもこの印刷が可能です。
 その機能とは、設定の中にある「ネガポジ反転」という機能を使います。
 ネガポジ反転を決定してプリントするだけで、簡単に白黒反転の印刷ができます。
 読みの不自由さを支援する基本的な方法を2つ紹介いたしました。しかし、これが最適な方法ではありません。見え方によっては文字が小さいほうが見えやすい方、明るすぎると見えにくい方など様々です。見えにくさを感じている高齢者がどのような支援を必要としているかを聞き取ることが大切です。

見えにくさが引き起こす日常生活の不自由 読み書き①

 高齢者見えにくさを引き起こす原因疾患・疾病についてお伝えしました。
 その見えにくさによって、普段の生活でどのような不自由があるのでしょうか?
 高齢者が見えにくくなることで、日常生活で感じている不自由とその解決方法について紹介していきます。

 見えにくい高齢者の多くが日常生活の中で、文字の読み書きに不自由を感じています。
 ここでは、「書き」に関する支援の方法を紹介します。
 介護保険を利用する時に事業所と本人が契約をする必要があります。事業者が高齢者に契約書のサインをお願いする時に「どこに書いたらいいのかわからない?」と言われ、「どのようにすれば解決できるか」と質問をいただいたことがあります。(写真は住民票の請求用紙です)

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 これは、契約書のサインの欄が分からないことが原因です。
 契約書で本人にサインをお願いするところの枠線を太くするなどの工夫だけでもずいぶんとわかりやすくなります。

 見えにくい方への支援道具にサインガイドというものがあります。
 プラスティックの板で、四角い枠を切り抜いた物です。
 契約用紙等は白い物が多いので、黒い枠をあてるだけで随分と見やすくなるものです。

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 サインガイドの四角い枠の下に丸い穴が開いてます。
 これはスタンプガイドで、印鑑を押す場所を見やすくしています。
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 他にも、はがきの宛名を書くためのガイドや、
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A4サイズのノートに記入するためのガイドもあります。
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 市販品もありますが、黒の画用紙やお菓子箱の仕切り等を加工して作成することもできます。
 ほんの少しの工夫で書きの不自由を解消することができるようになります。


見えにくさを引き起こす疾病・疾患 ⑥

 高齢者の見えにくさを引き起こす原因疾患の第5位は「糖尿病網膜症」です。

 生活習慣病としても良く耳にする糖尿病の3大合併症の一つです。
 3大合併症とは、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病網膜症です。
 黄斑変性と同様に眼から入ってくる情報を受ける網膜が障害を受ける疾患です。
 糖尿病は血液の病気とも言われ、網膜内での血液の流れが悪くなります。それにより、新しい血管(新生血管)が発生します。この新生血管は脆く、少しの刺激で出血します。新生血管が出血を繰り返し網膜を傷つけことで、見えにくさが出てきます。

プロフィール

伊東 良輔 (いとう りょうすけ)

Author:伊東 良輔 (いとう りょうすけ)
一般社団法人ぱるむ 代表理事
人間関係学修士
心理学を背景とした対人援助の理論と実践について研究しています。
2014年、一般社団法人ぱるむを設立。北九州市小倉南区に「伊東良輔社会福祉士事務所」、「ケアプランセンター らび」を開設。
社会福祉士として対人援助に関する講座で講師活動や成年後見人としての活動に関する記録、非常勤講師として社会福祉士を目指す学生の皆さんへの指導の記録。
視覚障害生活訓練等指導者として同行援護従業者養成講座を開催した講座の内容等を中心に紹介していきます。

資格
・社会福祉士
・精神保健福祉士
・介護福祉士
・介護支援専門員(ケアマネジャー)
・福祉住環境コーディネーター2級・3級
・福祉用具プランナー
・視覚障害生活訓練等指導者
・相談支援専門員
・全身性ガイドヘルパー

社会貢献活動
・公益社団法人日本社会福祉士会 理事
 国際担当理事
 LGBT担当理事
・公益社団法人福岡県社会福祉士会 理事
 ぱあとなあ福岡所属(成年後見人)
 独立型社会福祉士支援委員会
 障がい者支援委員会
・日本ソーシャルワーカー連盟
 国際委員会
・日本障害者協議会 理事
 総務委員会 http://www.jdnet.gr.jp/guide/yakuin/member/ito.html
・日本障害者リハビリテーション協会 総合リハビリテーション研究大会
 常任委員
・アルコール健康障害対策基本法推進ネットワーク
 幹事
・北九州市障害支援区分認定審査会 委員
・宗像市・福津市介護認定審査会 委員
・中間市障害支援区分認定審査会 委員
・宮若市障害者計画・障害福祉計画推進協議会 委員
・福岡県介護実習・普及センター 運営委員
・福岡県社会福祉協議会 運営適正化委員
さわやか福祉財団 さわやかインストラクター

一般社団法人ぱるむ
・伊東良輔社会福祉士事務所
・ケアプランセンターらび
・権利擁護センターせるもん
〒803-0273
福岡県北九州市小倉南区長行東1丁目11-16
一般社団法人ぱるむ 長行事務所
TEL:093@776‐7115
FAX:093@777‐5068
ホームページ:http://hp.kaipoke.biz/zau/

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