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マズローの欲求階層説

「人と向き合う仕事」と題した前回は、支援者として自らを知るための方法として「エゴグラム性格診断」を紹介しました。
自分がどのような性格であるかを知ることで、対人関係を円滑なものにすることができるとお伝えいたしました。

自分を知ったら、次は支援の対象者について考えていきましょう。
今回は、「人はなぜ行動するのか?」という点に注目してみます。
人間の行動を引き起こす要因として「マズローの欲求階層説」を紹介します。
これは、アメリカの心理学者であるアブラハム・マズローの発表した「自己実現論」で人間の欲求を5段階で表したものです。

マズローの定義した欲求は
1:生理的欲求(Physiological needs)
  生命維持のための食事・睡眠・排泄等の本能的・根源的な欲求
2:安全の欲求(Safety needs)
  安全性・経済的安定性・良い健康状態の維持、生活の安定等を求める欲求
3:社会的欲求(Social needs / Love and belonging)
  他者に受け入れられたい、どこかに所属したいという欲求
4:尊敬の欲求(Esteem)
  自分が価値ある存在と認められ、尊敬されることを求める欲求
5:自己実現の欲求(Self-actualization)
  自分の持つ能力を最大限発揮し、自分がなりえるものにならなければならないという欲求

マズローの欲求階層説

この欲求を満たすために人間は行動を引き起こすとされています。

「なぜ、この行動をしているのだろう?」と自分自身を振り返ると、私たち大人は社会的欲求以上の階層の欲求で行動しています。
利用者さんの行動を観察してみるとどうでしょうか?
男性高齢者の方がデイサービスの利用に積極的でない理由の一つとして、尊敬の欲求が満たされないことが挙げられます。社会である程度の地位にあった方が、デイサービス利用者の一人となることが耐えられないため、積極的な利用につながりません。
もちろん、個人の性格がありますので、尊敬の欲求だけが理由であるとは一概には言えませんが。

対人援助の基本として、「自分を知る」、「相手を知る」ことが重要であると理解していただけたでしょうか。

 

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人と向き合う仕事

先日、社会福祉士として「ボランティアコーディネーター養成講座」の講師をさせていただいたときの話。
研修会が終わって、参加してくださった方より「対人援助の専門的な話を聞けて良かった。講義の内容を職員にも周知したいので、講義の記録などブログで公開していませんか?」と言われました。

今まで草の根的な活動で講師活動をしていたので、ブログを書くなんて思っていませんでした。
しかし、私の話を聞きたいと思ってくださる方がいらっしゃるのであれば、講座の内容を公開するのも必要かと思いました。
社会福祉士としての私の仕事と思いますので、これから少しずつブログに公開していきます。

第一回は、対人援助の基本中の基本、人と向き合うために「自分を知る」ことから始めましょう。
これは、自己覚知と言われ、自らの成長を促すために必要な条件となります。
対人援助の場面では、自分を知っていることで適切な援助を行うことができるようになります。
「自分を知ることが適切な援助に通じる?」と思われる方も多いでしょう。
介護や支援は人の優しさや温かさで行う仕事のように思われますが、理論と根拠に裏付けされた専門的な仕事です。
経験やカンに頼ると、支援の内容・質にムラが出ます。支援のムラは利用者の方の不利益に繋がります。

利用者の不利益が起きないように、支援者は自らの力量を知らなければなりません。
そのための自己覚知です。

自己覚知の方法として、エゴグラム性格診断があります。
P:Parent(親の自我)、親の思考感情「C」を見下ろす立場
  CP:Controlling Parent(支配的な親)、支配・厳格・批判的・道徳的
  NP:Naturing Parent(養育的な親)、養育的・受容・優しさ・過保護

A:Adalt(大人の自我)、冷静に考え行動する感情「P」と「C」を調整する

C:Child(子どもの自我)、子どもの頃、親の存在を感じて行動していた感情、「P」を見上げる立場
  FC:Free Child(自由な子ども)、自由・わがまま・無邪気・本能的
  AC:Adapted Child(順応な子ども)、従順・我慢・控え目・協調性

上記のような5類型の質問があり、自分の性格がどのようなバランスで構成されているかを知る尺度になります。
この性格診断のポイントは性格の善し悪しをはかるものではありません。
自分の性格のバランスを知り、対人援助の場面でどのように振る舞うべきかを知るためにあります。
エゴグラムの結果を個性と捉え、より良い援助につなげていきましょう。


テーマ : 福祉のお仕事
ジャンル : 福祉・ボランティア

プロフィール

伊東 良輔 (いとう りょうすけ)

Author:伊東 良輔 (いとう りょうすけ)
一般社団法人ぱるむ 代表理事
人間関係学修士
心理学を背景とした対人援助の理論と実践について研究しています。
2014年、一般社団法人ぱるむを設立。北九州市小倉南区に「伊東良輔社会福祉士事務所」、「ケアプランセンター らび」を開設。
社会福祉士として対人援助に関する講座で講師活動や成年後見人としての活動に関する記録、非常勤講師として社会福祉士を目指す学生の皆さんへの指導の記録。
視覚障害生活訓練等指導者として同行援護従業者養成講座を開催した講座の内容等を中心に紹介していきます。

資格
・社会福祉士
・精神保健福祉士
・介護福祉士
・介護支援専門員(ケアマネジャー)
・福祉住環境コーディネーター2級・3級
・福祉用具プランナー
・視覚障害生活訓練等指導者
・相談支援専門員
・全身性ガイドヘルパー

社会貢献活動
・公益社団法人日本社会福祉士会 理事
 国際担当理事
 LGBT担当理事
・公益社団法人福岡県社会福祉士会 理事
 ぱあとなあ福岡所属(成年後見人)
 独立型社会福祉士支援委員会
 障がい者支援委員会
・日本ソーシャルワーカー連盟
 国際委員会
・日本障害者協議会 理事
 総務委員会 http://www.jdnet.gr.jp/guide/yakuin/member/ito.html
・日本障害者リハビリテーション協会 総合リハビリテーション研究大会
 常任委員
・アルコール健康障害対策基本法推進ネットワーク
 幹事
・北九州市障害支援区分認定審査会 委員
・宗像市・福津市介護認定審査会 委員
・中間市障害支援区分認定審査会 委員
・宮若市障害者計画・障害福祉計画推進協議会 委員
・福岡県介護実習・普及センター 運営委員
・福岡県社会福祉協議会 運営適正化委員
さわやか福祉財団 さわやかインストラクター

一般社団法人ぱるむ
・伊東良輔社会福祉士事務所
・ケアプランセンターらび
・権利擁護センターせるもん
〒803-0273
福岡県北九州市小倉南区長行東1丁目11-16
一般社団法人ぱるむ 長行事務所
TEL:093@776‐7115
FAX:093@777‐5068
ホームページ:http://hp.kaipoke.biz/zau/

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