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見えにくさが引き起こす日常生活の不自由 読み書き②

 見えにくくなった高齢者の生活で不自由を多く感じるのは、文字の読み書きです。
 書きについては、書く場所をわかりやすくするために、枠線を太くし見やすくしたり、どのような用紙でも利用できる汎用性の高いサインガイドの活用を紹介しました。
 「読み」については、本人の見え方にあった支援の方法を探す必要があります。
 ここでは、基本的な支援の方法について紹介いたします。
 見えにくい高齢者への支援の基本としては「字を拡大」が基本となります。
 これは、高齢者のデイサービスでも配布物でA4用紙のものを拡大コピーし、A3用紙で配布するなどよく行われている方法です。
 もう少し工夫するポイントを2つお伝えします。

IMG_2009.jpg 

 1つ目は、見やすいフォントを利用することです。
 上の写真は、同じ文章を同じサイズでフォントを変えて書いています。
 上の段が「明朝体」、下の段が「ゴシック体」です。
 どちらが見やすいでしょうか?
 この2つのフォントが対比されるときに明朝体は毛筆、ゴシック体はマジックペンで書かれた文字に例えられます。
 明朝体は文字にメリハリを出すために、縦の線が太く、横の線が細いという特徴があります。
 それに対して、ゴシック体は縦・横ともに同じ太さで書かれています。
 マイクロソフトのワードの基本設定は明朝体の10.5ptなので、文章をお渡しする場面では、相手の方が見やすい設定に変更することも大切な支援になります。

  2つ目は、コントラスト(明暗)をつけることです。
 次の写真は1枚目の写真と文章・文字のサイズ・フォントも同じものです。
 唯一違うのが色。図と地の色が反対になっています。

IMG_2010.jpg

 このように白と黒を逆さまにすることを「白黒反転」といいます。
 これは、白内障等で光が強すぎることで見えにくさを訴える方に有効な支援方法です。
 講習会で紹介した時に「何か特殊な方法で作成したの?」と質問をいただきますが、実はほとんどのコピー機にある機能で、コンビニのコピー機でもこの印刷が可能です。
 その機能とは、設定の中にある「ネガポジ反転」という機能を使います。
 ネガポジ反転を決定してプリントするだけで、簡単に白黒反転の印刷ができます。
 読みの不自由さを支援する基本的な方法を2つ紹介いたしました。しかし、これが最適な方法ではありません。見え方によっては文字が小さいほうが見えやすい方、明るすぎると見えにくい方など様々です。見えにくさを感じている高齢者がどのような支援を必要としているかを聞き取ることが大切です。
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見えにくさが引き起こす日常生活の不自由 読み書き①

 高齢者見えにくさを引き起こす原因疾患・疾病についてお伝えしました。
 その見えにくさによって、普段の生活でどのような不自由があるのでしょうか?
 高齢者が見えにくくなることで、日常生活で感じている不自由とその解決方法について紹介していきます。

 見えにくい高齢者の多くが日常生活の中で、文字の読み書きに不自由を感じています。
 ここでは、「書き」に関する支援の方法を紹介します。
 介護保険を利用する時に事業所と本人が契約をする必要があります。事業者が高齢者に契約書のサインをお願いする時に「どこに書いたらいいのかわからない?」と言われ、「どのようにすれば解決できるか」と質問をいただいたことがあります。(写真は住民票の請求用紙です)

IMG_1992.jpg
 これは、契約書のサインの欄が分からないことが原因です。
 契約書で本人にサインをお願いするところの枠線を太くするなどの工夫だけでもずいぶんとわかりやすくなります。

 見えにくい方への支援道具にサインガイドというものがあります。
 プラスティックの板で、四角い枠を切り抜いた物です。
 契約用紙等は白い物が多いので、黒い枠をあてるだけで随分と見やすくなるものです。

IMG_1993.jpg  
 サインガイドの四角い枠の下に丸い穴が開いてます。
 これはスタンプガイドで、印鑑を押す場所を見やすくしています。
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 他にも、はがきの宛名を書くためのガイドや、
IMG_1995.jpg
A4サイズのノートに記入するためのガイドもあります。
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 市販品もありますが、黒の画用紙やお菓子箱の仕切り等を加工して作成することもできます。
 ほんの少しの工夫で書きの不自由を解消することができるようになります。


見えにくさを引き起こす疾病・疾患 ⑥

 高齢者の見えにくさを引き起こす原因疾患の第5位は「糖尿病網膜症」です。

 生活習慣病としても良く耳にする糖尿病の3大合併症の一つです。
 3大合併症とは、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病網膜症です。
 黄斑変性と同様に眼から入ってくる情報を受ける網膜が障害を受ける疾患です。
 糖尿病は血液の病気とも言われ、網膜内での血液の流れが悪くなります。それにより、新しい血管(新生血管)が発生します。この新生血管は脆く、少しの刺激で出血します。新生血管が出血を繰り返し網膜を傷つけことで、見えにくさが出てきます。

見えにくさを引き起こす疾病・疾患 ⑤

高齢者の見えにくさを引き起こす原因疾患の第4位は「加齢性黄斑変性」です。

網膜の中心部は黄斑とよばれ、ものを見るときに最も大切な働きをします。この黄斑の働きによって視力を維持したり、色の判別を行ったりします。
この黄斑が加齢にともなって様々な異常をきたした状態を加齢黄斑変性といいます。
加齢黄斑変性は「滲出型」と「萎縮型」に分けられます。「萎縮型」は徐々に黄斑の網膜の細胞が減っていくタイプです。このタイプでは、長い間かかってゆっくり視力が低下していきます。
もう一つの「滲出型」は、その名の通り、血液の中の水がにじみ出て黄斑に障害の出るタイプです。
上記な様な理由で黄斑に障害があると、一番見たい部分の視野がなくなったり、物がゆがんで見えるようになります。

見えにくさを引き起こす疾病・疾患 ④

高齢者の見えにくさを引き起こす原因疾患の第3位は「緑内障」です。

緑内障とは、目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経という器官に障害が起こり、見える範囲が狭くなる病気のことです。治療が遅れると失明に至ることもあります。
緑内障の症状は、少しずつ見える範囲が狭くなっていきます。病気がかなり進行するまで自覚症状はほとんどありません。
緑内障は中高年の方に起こる代表的な病気のひとつと言われており、40歳代では50人に1人、50歳代では37人に1人、60歳代では21人に1人、70歳代では12人に1人が緑内障を発症するとされています。
徐々に見える範囲が狭くなり、自覚症状が出るまでに症状がかなり進行している場合があります。高齢者の見えにくさは、視力だけでなく見える範囲(視野)も大きく関係しています。

プロフィール

伊東 良輔 (いとう りょうすけ)

Author:伊東 良輔 (いとう りょうすけ)
一般社団法人ぱるむ 代表理事
人間関係学修士
心理学を背景とした対人援助の理論と実践について研究しています。
2014年、一般社団法人ぱるむを設立。北九州市小倉南区に「伊東良輔社会福祉士事務所」、「ケアプランセンター らび」を開設。
社会福祉士として対人援助に関する講座で講師活動や成年後見人としての活動に関する記録、非常勤講師として社会福祉士を目指す学生の皆さんへの指導の記録。
視覚障害生活訓練等指導者として同行援護従業者養成講座を開催した講座の内容等を中心に紹介していきます。

資格
・社会福祉士
・精神保健福祉士
・介護福祉士
・介護支援専門員(ケアマネジャー)
・福祉住環境コーディネーター2級・3級
・福祉用具プランナー
・視覚障害生活訓練等指導者
・相談支援専門員
・全身性ガイドヘルパー

社会貢献活動
・公益社団法人日本社会福祉士会 理事
 国際担当理事
 LGBT担当理事
・公益社団法人福岡県社会福祉士会 理事
 ぱあとなあ福岡所属(成年後見人)
 独立型社会福祉士支援委員会
 障がい者支援委員会
・日本ソーシャルワーカー連盟
 国際委員会
・日本障害者協議会 理事
 総務委員会 http://www.jdnet.gr.jp/guide/yakuin/member/ito.html
・日本障害者リハビリテーション協会 総合リハビリテーション研究大会
 常任委員
・アルコール健康障害対策基本法推進ネットワーク
 幹事
・北九州市障害支援区分認定審査会 委員
・宗像市・福津市介護認定審査会 委員
・中間市障害支援区分認定審査会 委員
・宮若市障害者計画・障害福祉計画推進協議会 委員
・福岡県介護実習・普及センター 運営委員
・福岡県社会福祉協議会 運営適正化委員
さわやか福祉財団 さわやかインストラクター

一般社団法人ぱるむ
・伊東良輔社会福祉士事務所
・ケアプランセンターらび
・権利擁護センターせるもん
〒803-0273
福岡県北九州市小倉南区長行東1丁目11-16
一般社団法人ぱるむ 長行事務所
TEL:093@776‐7115
FAX:093@777‐5068
ホームページ:http://hp.kaipoke.biz/zau/

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