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面接のスキル

 今回は、ボランティアコーディネーター養成講座でお話する面接スキルについてです。
 みなさんは面接と聞くとどのような場面をイメージしますか?
 就職やバイトの面接でしょうか?どちらかというと、面接を受ける立場でのイメージが多いのではないでしょうか。
 ボランティアコーディネーターとなる方は、施設でのボランティアの受け入れという立場から、面接をする側になります。
 そこで、ボランティアを受け入れる側として、知っていてほしい知識として「マズローの欲求階層」や「バイスティックの7原則」、「アイデンティティ」をお伝えし、グループワークで面接表を作成していただきました。
 いくら知識があっても、良い面接表があっても、面接で重要なことは「人を見る」目です。

そこで、対人援助における「観察の6側面」が有効になってきます。
①身体的側面:身体状況、疾病、表情、用紙、皮膚の状態
  対象者の身体的特徴を知ることは非常に重要です。ボランティア活動で無理をしないことも活動を継続する重要な要素ですので、コーディネーターはしっかりと把握するようにしましょう。

②社会的側面:他の人々との関わり、行動・関係、視線を合わせる、人間関係や役割
対象者の生活歴にもつながりますが、他者との関わりは円滑な人間関係が可能であるかを知る良い機会です。ボランティア仲間、施設利用者、施設スタッフとの円滑な関係は、ボランティア活動を行う上で非常に重要です。

③心理的側面:利用者の感情表出、喜怒哀楽の表出方法
 面接時に、対象者の感情表出の度合い、喜怒哀楽の表出方法をしっかりと観察しましょう。対象者が人見知りであれば、活動初期はコーディネーターがボランティア同士の波長合わせを行う等の支援が必要となります。

④精神的側面:精神構造に関するもの、不安や恐怖など、ストレスや精神症状
面接時に非常に強い不安や恐怖がある方がボランティア活動を行うにあたり、対人援助ではない場面を設けるなど、施設側の配慮が必要となります。援助者の不安や恐怖は施設の利用者に伝わるものです。コーディネーターはしっかりと観察しましょう。

⑤物理的・物質的側面:人間環境について、生活環境について、服装のバランス、持ち物
 面接を受けにくるのにふさわしい服装であるか、これは社会性に通じることですが、ボランティア活動時の周囲との環境調整ができるかを見ることができます。TPOに合わせた服装や言葉遣いは、対人援助の場面では非常に重要であることをコーディネーターは理解し、対象者に伝えていきましょう。

⑥霊的側面:事故の存在価値を認めているか
自分自身の価値を認めていないと、他人を認めることはできません。これは非常に重要な点で、ボランティア活動を自分のためにする方は、「他人から必要としてもらえる自分」に価値を見出すため、施設利用者と依存関係を簡単に構築します。そのようなことを未然に防ぐためにも、コーディネーターは「奥ゆかしさ」と「自信のなさ」を見分ける眼を持たなくてはなりません。

上記、6側面から相手を観察することで、面接表の項目を埋めるだけでなく、対象者をより深く知ることができます。
施設側、ボランティア希望者の両者が気持ちよく活動できるように環境調整することが、ボランティアコーディネーターの役割です。
そのためにも、対人援助技術の基礎知識を身に着け、面接スキルを高めていくことが必要なのではないでしょうか。
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アイデンティティの問題

 ボランティアコーディネーター養成講習会で、面接をする意味と面接表を作成するグループワークについてブログを書きました。
 今日は、そのグループワークを行う前段階で、参加者の方へお伝えするアイデンティティについて紹介いたします。

 アイデンティティは、ドイツの心理学者 H・エリクソンが唱えた自我の在り方で「自己同一性」と訳されます。
 自我とは「自分らしさ」とも言われ、社会の中で生きている自分は何者であるか、どう生きていくのかとう問題意識を持つようなることで形成されていきます。
 青年期に自分らしさをどのように作り上げていくか、自分でできることが増えてきたが、親の保護のもとで生活している現状にモヤモヤしている期間を経て、自分らしさを作っていきます。
 私たち世代(昭和40後半~50年前半)は、この猶予期間(モラトリアム)の言い表せない感情をどこに向けていいのかわからない中高生は、尾崎豊やBOOWY等の歌詞に共感していたものです。
 余談が入りましたが、アイデンティティは社会・集団に所属することでも確率されていきます。
 アイデンティティの構築は青年期だけではありません。人間の生涯発達の観点からも、アイデンティティは人生のステージに合わせ何度も構築されていきます。
 ボランティアをされる方の多くは、どこかの施設・グループに所属して活動を行います。その施設・グループに所属することでアイデンティティが再構築されるため、ボランティア活動を通して、自らを見つけることができるようになるのです。

 ボランティアを募集する施設のコーディネーターは、活動するボランティアさんのアイデンティティの構築まで配慮することができれば、より良いボランティアコーディネーションができるようになります。
 施設と活動するボランティアさん、そして利用者さんの利益となりますので、ボランティアコーディネーターさんには、ぜひぜひ知っていて欲しいと思います。

ボランティア受入れの面接

福祉施設でのボランティアと聞くとどのような内容を想像しますか?

「自分の得意分野を誰かのために活かしたい」、「得意な分野はないけれど、利用者さんのお話を聞くだけならできるかも」、様々な思いでボランティアを志す方がいらっしゃいます。
そんなボランティアさんを受け入れるに当たり大切なのが面接です。

これは、施設側が必要とするボランティアさんを選考するのではなく、ボランティアをやりたいと思った動機を確認すると共に、施設がボランティアさんに依頼する内容の確認にもなります。
対人援助の場面では、インテーク面接は対象者を知る重要な場面です。
ボランティアの受入れもインテーク面接から始まります。
インテーク面接をするに当たり、重要なツールは「面接表」です。
なぜ面接表に注目するのか?
面接表にある項目を埋めるための質問をすることは面接とはいいません。ただの質問です。
「相手を理解する」という姿勢があれば、質問する意図を理解していなければなりません。

そこで、私が講義を行うときは、参加者の皆さんに面接表を作成していただきます。
記入する項目は5項目のみ、ひとつの項目に記入できるのひとつの情報のみです。
「連絡先」という項目で住所と電話番号を聞き取ることはできないというルールを設定してグループワークを行ってもらいます。
(グループワークに入る前に、対人援助の基本は説明させていただいてます)
そして、出来上がった面接表を参加者の皆さんに発表していただき、そのときに「なぜ、この項目を入れたのか」という理由も伝えていただきます。
面接表を作成するときに、質問する意図まで考えて作成する。それにより相手の情報を聞き取るだけでなく、面接時の対象者理解が進み、さらには施設がボランティアを募集する意図を伝えることができます。
このように私が講師をさせていただく講座では、グループワークを通して、対人援助の「エビデンス・ベースド・プラクティス(根拠を持った支援)」に目を向けていただく機会作りをしています。

ボランティアとは

私がボランティアに関する講座を開始する時に紹介する絵があります。
それは、ミレーの「落穂拾い」です。

収穫後、畑に落ちた麦の穂を拾う3人の農婦を描いたジャン=フランソア・ミレーの名画です。


落穂ひろい

収穫後の畑に落ちた麦の穂を拾い集めることをせず、貴族は貧しい小作人のために落穂を拾うことを許可していました。
「ノブレスオブリュージュ」、日本語では「位高きは徳高きを要す」とも訳されます。
このブログでも以前紹介した、マズローの欲求階層説でも、自己実現の欲求は一番上の階層にあったように、他者のために何かできることは高い意識があることを意味しています。

現代社会での「ノブレスオブリュージュ」はどのような場面で起こっているでしょうか?
セレブが行う寄付・基金の設立は代表的なところでしょう。
ノブレスオブリュージュとまではいかなくても、私たちがボランティアをするとき、どのような動機づけがあるのでしょうか?ボランティアコーディネーターとして、何を理解するのか?次回は、ボランティアを受け入れる入り口である面接について、講座内容を紹介していきます。

プロフィール

伊東 良輔 (いとう りょうすけ)

Author:伊東 良輔 (いとう りょうすけ)
一般社団法人ぱるむ 代表理事
人間関係学修士
心理学を背景とした対人援助の理論と実践について研究しています。
2014年、一般社団法人ぱるむを設立。北九州市小倉南区に「伊東良輔社会福祉士事務所」、「ケアプランセンター らび」を開設。
社会福祉士として対人援助に関する講座で講師活動や成年後見人としての活動に関する記録、非常勤講師として社会福祉士を目指す学生の皆さんへの指導の記録。
視覚障害生活訓練等指導者として同行援護従業者養成講座を開催した講座の内容等を中心に紹介していきます。

資格
・社会福祉士
・精神保健福祉士
・介護福祉士
・介護支援専門員(ケアマネジャー)
・福祉住環境コーディネーター2級・3級
・福祉用具プランナー
・視覚障害生活訓練等指導者
・相談支援専門員
・全身性ガイドヘルパー

社会貢献活動
・公益社団法人日本社会福祉士会 理事
 国際担当理事
 LGBT担当理事
・公益社団法人福岡県社会福祉士会 理事
 ぱあとなあ福岡所属(成年後見人)
 独立型社会福祉士支援委員会
 障がい者支援委員会
・日本ソーシャルワーカー連盟
 国際委員会
・日本障害者協議会 理事
 総務委員会 http://www.jdnet.gr.jp/guide/yakuin/member/ito.html
・日本障害者リハビリテーション協会 総合リハビリテーション研究大会
 常任委員
・アルコール健康障害対策基本法推進ネットワーク
 幹事
・北九州市障害支援区分認定審査会 委員
・宗像市・福津市介護認定審査会 委員
・中間市障害支援区分認定審査会 委員
・宮若市障害者計画・障害福祉計画推進協議会 委員
・福岡県介護実習・普及センター 運営委員
・福岡県社会福祉協議会 運営適正化委員
さわやか福祉財団 さわやかインストラクター

一般社団法人ぱるむ
・伊東良輔社会福祉士事務所
・ケアプランセンターらび
・権利擁護センターせるもん
〒803-0273
福岡県北九州市小倉南区長行東1丁目11-16
一般社団法人ぱるむ 長行事務所
TEL:093@776‐7115
FAX:093@777‐5068
ホームページ:http://hp.kaipoke.biz/zau/

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