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自立と自律

ソーシャルワーカーとして対人援助の場面で必ず当たる壁
「自立」と「自律」
今回、さわやか福祉財団の全国戦略会議に参加させていただくことで久しぶりに考える機会をいただきました。
私は障害者福祉の支援に携わる期間が長かったため、障害者自立支援法から総合支援法に改正されたときに「自立」について考える機会をいただきました。
今回は介護保険の新地域支援事業を進めるにあたり「助け合いの仕組みづくり」を中心に考えていきました。
「自立⇔依存」、「自律⇔他立」
反対語を考えることで、言葉の本質に迫ることができるのではないかと思いました。
私たちソーシャルワーカーは児童・障害・高齢を始めとする福祉分野、医療分野、教育分野と活躍の場は多岐に渡るため、自らの専門とする分野の違いによって、私たち社会福祉士でも、「自立」と「自律」の意味は変わってくるのではないでしょうか。
最後に私個人の意見ですが、クライエントの状況に合わせて対応し、環境との接点に介入していく社会福祉士としては場面によって言葉の意味を柔軟に捉える視点が重要なのではないでしょうか。
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対人支援の場面における「行動の制限」とは

 同行援護従業者養成研修の講師依頼をいただき、熊本県に行ってきました。
 視覚障害生活訓練等指導者として講師要件を満たしているということでご依頼をいただきました。
 講習会では中央法規より出版されている同行援護従業者養成テキストを使用し、このテキストでは障害者虐待防止法と障害者差別解消法の項目があり、社会福祉士として虐待対応チームで活動した経験をお話する機会がありました。
 虐待には「身体的虐待」、「心理的虐待」、「性的虐待」、「放置・放任(ネグレクト)」、「経済的虐待」の5類型があり、同行援護の活動中に気を付けなければならないことをお話させていただきました。
 講義の中で同行援護従業者が誘導する場面での「行動の制限」や、同行援護従業者の都合で利用者の方に待っていただく場合において、どのようなことが合理的配慮義務違反となるのかということをお伝えいたしました。
 親切心がおせっかいとなり、おせっかいが利用者の行動を制限するということも多くあります。次回、実技講習の中で行動の制限とならない支援の方法について参加者の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
 伝えるだけの講義ではなく、自ら考え答えを導きだしていく。そんな講義にしていきたいと考えてます。

社会福祉士の価値と倫理

 対人援助の専門職として最近感じたこと。
  対人援助職は、クライエントを支援するために専門的な知識・技術を身に着けており、クライエントの個人情報を知り得る立場にあるため、クライエントよりも有利な立場に立ちやすいとされています。そのため専門職としての立場と自らの力量を客観的に見ることができず、専門領域以外の援助まで抱え込みトラブルになる事例も多く報告されています。
 これは、原理・原則を理解せずに、表面的な知識だけで専門職を名乗っていると自らの援助活動に明確な根拠を持つことができないため、クライエントや家族、その他の専門職との連携の場面で個人的な関係を構築する、情緒的関与を求める傾向が強くなることが原因です。
 このように自らの価値を理解できていない状態で対人援助を実践すると「何でも屋」となり、専門職としての価値を下げてしまいます。専門職として「価値と倫理」を意識することは、自らの価値を高めるだけでなく、専門職としての価値、最終的にはクライエントの利益に繋がります。この「価値と倫理」を学ぶ最も適した機会が「スーパービジョン」を受けることとされています。
 日本社会福祉士会では、スーパーバイザーの養成研修が実施されます。経験年数だけでなく専門的な研修を受けた社会福祉士価値と倫理を伝えていく構図ができるようです。
 対人援助においての価値は社会的背景や、援助職の所属する組織等によって変化することもありますが、ブトゥリムの提言した「基本的価値前提」は普遍的な観点ですので、しっかりと理解しクライエントの支援に臨むことが重要だと考えます。

対人援助の専門職として

 対人援助職として必要な知識として、アカウンタビリティ(Accountability)について説明させていただきます。
 福祉関係職種として、三福祉士(社会福祉士精神保健福祉士介護福祉士)が有名ですが、職場によって三福祉士の役割は大きく異なります。
 社会福祉士を例とすると、病院勤務ではMSW(メディカルソーシャルワーカー)、高齢・障害等の施設勤務では生活相談員、相談支援事業所では専門相談員等、勤務形態により職名や求められる役割が異なります。
 職名や支援内容が異なっても、対人援助の専門職として自らの専門性を支援対象者に伝える必要があります。
 その説明責任がアカウンタビリティ(Accountability)です。
 自分がどのような支援が可能で、支援チームの中でどのような役割を担うか説明する責任といえるかもしれません。
 医療で行われる「インフォームドコンセント」は、医師が治療方針を患者に説明し、患者が納得したうえで治療を受けるという専門職が対象者に対して行う行為に対する説明責任があります。
 福祉分野の私たちは、様々な分野で活躍を期待されているので、対人援助職として、自らの役割を明確に説明できるよう普段から意識しておくことが大切ですね。

バイスティックの7原則

 先日、ソリューションフォーカスアプローチについて、本ブログで紹介させていただきました。
 対人援助技術は様々な体系で発展している現在ですが、どのような技法も「クライエントが主体性を持って生活することを援助する」という基本的な考え方の上に成り立っています。
 対人援助職がクライエントと向き合う基本的な姿勢をまとめたものがバイスティックの7原則です。
 この原則は対人援助の様々な場面で考え方の基本となるもので、私たち社会福祉士も相談援助技術の基本として学習しています。

① 個別化の原則:クライエントを個人としてとらえる
  クライエントの抱える問題は、その人にとって唯一無二の個別的なものです。経験のある援助者は過去のケースと重ね合わせたりして対応してしまいがちですが、問題状況に応じて個別的な対応をすることが必要です。

② 意図的な感情表出の原則:クライエントの感情表出を大切にする
  援助者は援助関係の中でクライエントが自分の考えや感情を自由に表現できるように働きかけることが必要となります。

③ 統制された情緒的関与の原則:援助者は自分の感情を自覚して吟味する
  クライエントが表出した感情に流されることなく援助者の立ち居地を守りつつ援助を行うことが必要です。

④ 受容の原則:受け止める
  クライエントが現在の状況に至った経緯、その人となり、現実を受け止めることが必要です。

⑤ 非審判的態度の原則:クライエントを一方的に非難しない
  援助者が自分の価値観や倫理的判断によって、クライエントの行動や態度を批判したり、問題の発生原因について有罪を審判・非難しないことが必要です。

⑥ 自己決定の原則:クライエントの自己決定を促して尊重する
  援助者は人間は本来、問題への対応のしかたを自分自身で決める能力をもち、また自分で決める権利を持っているという個人の尊重の考え方をすることが重要です。

⑦ 秘密保持の原則:秘密を保持して信頼感を醸成する
  援助者は専門的な援助関係において職務上知り得たクライエントの情報について、その秘密を守り、他者に漏らさないことを前提として信頼関係を構築していきます。

 今回、バイスティックの7原則について紹介いたしました。
 対人援助の現職の方にとっては当然のことかもしれませんが、この当然と思われる事も援助の経験が増えていくと援助者のやりやすさに置き換えられていることもしばしばです。
経験値が増えていくと共に陥りやすい「パターナリズム父性主義)」についても、今後紹介していきますね。
プロフィール

伊東 良輔 (いとう りょうすけ)

Author:伊東 良輔 (いとう りょうすけ)
一般社団法人ぱるむ 代表理事
人間関係学修士
心理学を背景とした対人援助の理論と実践について研究しています。
2014年、一般社団法人ぱるむを設立。北九州市小倉南区に「伊東良輔社会福祉士事務所」、「ケアプランセンター らび」を開設。
社会福祉士として対人援助に関する講座で講師活動や成年後見人としての活動に関する記録、非常勤講師として社会福祉士を目指す学生の皆さんへの指導の記録。
視覚障害生活訓練等指導者として同行援護従業者養成講座を開催した講座の内容等を中心に紹介していきます。

資格
・社会福祉士
・精神保健福祉士
・介護福祉士
・介護支援専門員(ケアマネジャー)
・福祉住環境コーディネーター2級・3級
・福祉用具プランナー
・視覚障害生活訓練等指導者
・相談支援専門員
・全身性ガイドヘルパー

社会貢献活動
・公益社団法人日本社会福祉士会 理事
 国際担当理事
 LGBT担当理事
・公益社団法人福岡県社会福祉士会 理事
 ぱあとなあ福岡所属(成年後見人)
 独立型社会福祉士支援委員会
 障がい者支援委員会
・日本ソーシャルワーカー連盟
 国際委員会
・日本障害者協議会 理事
 総務委員会 http://www.jdnet.gr.jp/guide/yakuin/member/ito.html
・日本障害者リハビリテーション協会 総合リハビリテーション研究大会
 常任委員
・アルコール健康障害対策基本法推進ネットワーク
 幹事
・北九州市障害支援区分認定審査会 委員
・宗像市・福津市介護認定審査会 委員
・中間市障害支援区分認定審査会 委員
・宮若市障害者計画・障害福祉計画推進協議会 委員
・福岡県介護実習・普及センター 運営委員
・福岡県社会福祉協議会 運営適正化委員
さわやか福祉財団 さわやかインストラクター

一般社団法人ぱるむ
・伊東良輔社会福祉士事務所
・ケアプランセンターらび
・権利擁護センターせるもん
〒803-0273
福岡県北九州市小倉南区長行東1丁目11-16
一般社団法人ぱるむ 長行事務所
TEL:093@776‐7115
FAX:093@777‐5068
ホームページ:http://hp.kaipoke.biz/zau/

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